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脊髄・脊椎疾患
脊椎・脊髄とは
脊椎・脊髄とは

人間は「脊椎動物」というカテゴリーに属しています。脊椎、つまり背骨を持つ動物です。 脳から手足に運動などの命令(情報)を伝えるためには、脳から手足までをつなぐケーブル、つまり「神経」が必要です。人間の体の場合、無線で飛ばすようなことはできず、「神経」という有線での情報伝達が行われているわけです。逆に、手足からの脳への情報の伝達にも「神経」が必要です。こうした、脳と手足などとの相互の情報のやりとりを行う神経の束が「脊髄」と呼ばれるものです。「脊髄」は、脳の延長上の組織ですから、脳と同じくらい重要だと言えます(右図)。

そして、この重要な組織である「脊髄」及び、脊髄から枝分かれし、骨の間を通って手足まで伸びている「神経」を保護している硬いものが脊椎です。つまり、人を含む脊椎動物は、進化の過程で脊髄を保護する背骨を持つようになったわけです。

右の二つの図は、脳からの続きの脊髄を背骨や筋肉を切って、横と後ろから見たところです。

矢印の部分の上の方が脳で、それに続くのが脊髄だということがわかると思います。

脊髄を保護している脊椎は、首(頚椎)が7個、背中(胸椎)が12個、腰(腰椎)が5個、お尻(仙椎と尾骨)が6個あります。つまり、合計30個の脊椎で、脊髄は囲まれているのです。

脊椎が30個のばらばらの骨でできているのは、体全体を曲げたり反ったりするために骨が柔軟に動かなくてはならないからです。ですから、「運動器」としての要素も持っているのが脊椎です。そして、この脊椎の骨と骨を繋ぎとめている連結装置が、脊椎の間にはさまれている「椎間板」と呼ばれる柔らかい骨(軟骨)と、周りの筋肉や背骨の周りにテープのように張っている「靭帯」です。

このように、頚椎は頭を支え、腰椎は体を支えながらいつも動いています。しかも、この脊椎の中に、脳と同じくらい重要な神経組織、「脊髄」が入っているのです。正確には、頸椎の中には、先ほどの脊髄(人の人差し指くらいの太さです)が入っており、腰椎の中には、足に行く神経のみが入っています。

脊椎・脊髄疾患は、運動器である脊椎(背骨)と重要な神経組織である脊髄という二つの性格の異なる臓器が合わさった部分に発症した病気です。このため、運動器(骨や関節)を扱う整形外科が手術を行うのか、神経を扱う神経外科(日本では脳神経外科と呼んでいます)が手術を行うのか、混乱される方もいらっしゃるでしょう。しかし、現在では整形外科・脳神経外科それぞれで、専門的に手術を行っている医師が多くなってきました。したがって、専門家であれば、どちらでも問題がないものと思われます。つまり、神経も扱える整形外科医、運動器も少し扱える脳神経外科医であるなら。

東京慈恵会医科大学脳神経外科について

脊椎・脊髄疾患

慈恵医大の特徴について

外来診療の取り組み 脊椎・脊髄クリニック
慈恵医大では、脊椎・脊髄疾患の専門クリニックを開設し、整形外科と脳神経外科が協力して外来診療を行っています。また、整形外科と脳神経外科の脊椎・脊髄を担当する医師が、合同でカンファレンスを毎週行い、脊椎・脊髄疾患の患者さんの治療方針を検討しております。これらの取り組みにより、整形外科と脳神経外科の長所を生かして短所を補える体制を作り、より良い医療を提供できるように努力しています。

手術治療の取り組み
慈恵医大には手術室に血管撮影装置を組み込んだハイブリッド手術室が完備されています。この世界的にも数少ない最新の手術室は、本大学の脳神経外科 村山雄一教授により開発されたシステムであり、現在も改善・改良が重ねられています。脊椎・脊髄の手術でも、この手術室を利用して、手術中のCT画像やこの画像によるナビゲーション手術、また、脊椎・脊髄血管障害の手術中に行う血管撮影検査などを行っています。さらに、手足の運動機能や感覚機能などを手術中にモニタリングし、より安全で確実な手術を行う取り組みをしています。また、頚椎前方固定用のケージ頚椎椎弓形成術用のスペーサーなどを開発し、より良い手術方法を探求しています。

脳神経外科の脊椎・脊髄疾患班と手術実績について
「日本脊髄外科学会」(主に脳神経外科専門で、脊髄・脊椎外科に興味を持つ医師の集まり。会員数約1000名)が、2003年に、より良い医療を患者さんへの提供のために、脊髄の手術を指導できる実力がある医師(指導医)を全国から30名あまり選出しました。また、その指導医のもとでトレーニングを受けることができる訓練施設を10施設、全国から選定しました。幸い、東京慈恵会医科大学 脳神経外科は「訓練施設」の認定を受けました。指導医は1名(谷 諭)、認定医は4名(池内 聡、長島弘泰磯島 晃大橋洋輝)おり、これらの医師を中心に診療を行っております。参考までに、当科での手術実績と合併症(手術後の傷の着きが悪いものとか、膀胱炎を起こしたとか、種々のものを含みます)の数を掲載します。

代表的疾患

脊髄空洞症 頚椎椎間板ヘルニア 変形性頚椎症あるいは頚部脊椎症 後縦靱帯骨化症 腰椎椎間板ヘルニア 腰部脊柱管狭窄症 腰椎すべり症 BKP

  2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
頸椎 前方手術 7 12 8 16 17 8 9 7 5
後方手術 2 18 16 18 12 28 29 16 21
胸椎     1 1 2     1 0 4
腰椎 ヘルニア 17 5 10 8 13 7 14 13 5
狭窄症 15 21 12 27 33 33 24 22 31
仙椎                 0 0
腫瘍 髄内 8 7 8 6 5 3 3 9 16
髄外 1 12 6 7 13 8 10 8 6
硬膜外 3 4 3 3   5 2 1 1
頭蓋頚椎移行部   3 1 1   3 3   0 0
脊髄空洞症   31 55 50 63 66 59 57 56 86
血管障害   1 5 1 1 4   1 1 2
先天性疾患   2 1 2 4 1 3   1 7
感染症   3   1 2 2     0 1
外傷   2 1 1 1   1 6 6 1
その他   5 4 2 6 3(1) 3 4 6  
合計   122 147 122 164 172 161 161 148 166
合併症例数   7 14 12 13 9 7 8 6 7
合併症率(%)   5.7 9.5 9.8 7.9 5.2 4.3 5 4.1 4.2



頚椎疾患について

頚椎とは、首の中にある脊椎(背骨)のことで、普通7個あります。左の図は、頚椎を上から見たところです。絵の上が前方(首の前のほう)で後ろのとんがっている部分が後方の出っ張りで棘突起と呼ばれ、皆さんも首の後ろで硬くて、触れるとおもいます。
この頚椎は、7個でつながっているわけです。重い頭を支えて、頭を右や左、前後、左右に動かしているわけです。

その間の連結装置が軟骨で出来た椎間板(右の図の小矢印)と言う組織です。その周りにセロハンテープのような靭帯とかさらに首の周りの筋肉などが頭の周りのほうまで包んで張っているわけです。
働きはそれだけでなく、わっかのような骨の中には、脳の続きの脊髄(大矢印)と言う組織が入っています。これは脳からの命令を手足に伝える、手足の情報を脳へ伝える、非常に重要な組織なわけです。これが壊れてしまったら、手足は動かなくなってしまうわけです。
脊髄からは骨の間を通って、手に行く神経が枝分かれして左右で出ています。これによって腕や手に命令が行くわけです。

頚椎にある椎間板は年齢とともにガタガタしてくるので、いろいろな病気を起こします。
これは、首を動かしている以上、致し方ないところがあるわけですが。

首を横から見たところ 中央部分で上下に走るのが脊髄です(大矢印)。
前方の骨の間の凸レンズのように見えるのが 椎間板です(小矢印)。

代表的な疾患

 

腰椎とは
腰椎の仕組みと働き

重い体を支えている背骨(脊椎といいます)のうち、特に腰の部分にあるものを腰椎と呼びます。全部で5個あり、骨盤に接続しています。次のページの図のように複雑な形をしていますが、大雑把に言えば、わっかのような骨です。そのわっか(脊椎管といいます)の中には、足や膀胱などへ行く神経(左・矢印)がたくさん入っています。

それぞれの骨は、ばらばらでは困りますので、連結装置がたくさんついています。その中で、特に重要なのが、輪の前にある軟骨でできている椎間板(下右・白矢印)というものです。これがあるので、上下がしっかり連結し、なおかつ、腰の曲げ伸ばしのときに、クッションとなってくれているのです。椎間板の軟骨といっても、イメージ的には厚いビニール袋のようなもの(線維輪と呼びます)の中に、ゼラチンのようなもの(髄核と呼びます)が入っています。これは、本来みずみずしいものですが、年齢とともに水分を失ってきます。すると、骨の間の動きがスムースに行かなくなる(ガタガタする)ので、20歳前後くらいより誰でも、腰が重いなどは経験されることと思います。


腰椎を後ろから見たところ

腰椎を左から見たところ
■病因・病態

椎間板の加齢現象の進行と共にいろいろな病気が起きます。

  1. 椎間板の中身が飛び出してしまった「腰椎間板ヘルニア」
  2. 椎間板が変性で腰椎全体がガタガタし、中の神経に圧迫が来てしまった「腰部脊柱管狭窄症」
  3. ガタガタがひどくなり、腰椎がずれてしまう(亜脱臼)「腰椎すべり症」


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