脊椎脊髄疾患
椎間板は、腰の背骨に加わる衝撃を緩和する クッションの役割を担っています。椎間板は中心部にゼリー状の髄核と呼ばれる柔らかい組織と、その周囲の線維輪と呼ばれる丈夫な外層とで構成されています。この椎間板の内容物が押し出され突出します。これを椎間板ヘルニアと呼びます。
腰椎椎間板ヘルニアでは、腰や臀部が痛み、下肢にしびれや痛みが放散したり、時に下肢に力が入りにくくなることがあります。重いものを持ったりすると痛みが強くなることがあります。また巨大なヘルニアの場合には排尿や排便に影響が出ることがあり、頻尿や開始遅延、残尿感、尿閉といった症状が出る時もあり、こういった場合には早急に治療が必要です。
通常は消炎鎮痛薬や神経痛に対する内服薬の治療がまず行います。痛みが強い時期には、腰部の安静やコルセットの装着などを行い、さらに症状が強い場合には神経ブロック療法(神経の周りに痛みや炎症を抑える薬を注射する)を行い痛みをやわらげます。こういった保存的治療を行なっても症状の改善が得られない場合は、手術を検討します。手術方法にはいくつか種類がありますが、当院では椎間板ヘルニア摘出術(Love法)と全内視鏡下腰椎椎間板摘出術(FED)を行なっております。椎間板ヘルニア摘出術(Love法)は従来からある全身麻酔下に3-5cm程度の皮膚切開にて、顕微鏡を用いて神経を圧迫している椎間板ヘルニアの摘出を行います。全内視鏡下腰椎椎間板摘出術(FED)では8mm程度の皮膚切開で、症例によっては局所麻酔で行うことができ、2-3日で退院いただける場合もございます。手術をしたほうがいいのか、それとももう少し経過をみたほうがいいのかは症例によって、症状によって様々です。ご気軽に当院専門医にご相談ください。